生え方がおかしかった親知らずで大手術をしたときの体験

小さい頃から顎の大きさが小さく、歯がキツキツの状態で並んでいる感じでした。

それでも20歳くらいまでは何の問題もなかったのですが、親知らずが生えてきてから問題が発生しました。

上下の親知らずが生えてくることによって、その他の歯を押し始めたのです。

最初は親知らずが生えてきたことに気づかず、すこし違和感を感じる程度だったのですが、

途中から顎を開けたりする際に痛みを感じるようになってきました。

それから親知らずが生えてきたんだということに気づき、親知らずは生えてくるときはすこし痛みを感じるというのも聞いていましたので一人で納得していました。

また、そのときは学業が忙しく、歯医者に行く暇もなかったような状況だったので、

親知らずが生えきって落ち着くのを待ちました。

しかし、痛みはひどくなるばかりで、半年ほどするととうとう口を大きく開けるのが困難にさえなってきました。

さすがにまずいということで、急遽歯医者で見てもらいました。

目視で見てもらい、さらにレントゲンも撮ってもらいました。

レントゲンの写真を見てみると、あることが発覚しました。

ここまで状況を悪化させてたのは、親知らずの生え方です。

他の歯と同じように垂直に生えてくれば問題はなかったのですが、下の左右二本の親知らずは他の歯を押すように横から生えてきていたのです。

先生の話では、上の二本は綺麗に生えてきているのでギリギリ収まるだろうと言われました。

しかし問題は下の二本。

このままだと横から他の歯を押し続けてその他の歯の並びを歪めてしまう可能性もあるということでした。

さらに、下顎の中に収まりきらないので口が開かなくなるかもしれないと言います。

それではしょうがないと、下の親知らず二本を抜く手術に踏み切りました。

一本ずつ一ヶ月あけて抜き取る手術だったのですが、親知らずが立派だったため歯茎の切開も必要になりとても大きな手術になりました。

ものすごく大きく腫れ、血もたくさん出ていたのを覚えています。

その後も噛み合わせを改善するために他の歯を削るなどの治療も必要でした。

現在では歯の痛みもなく、口も問題なく開けられるのですが、親知らずが生えていた時期に顎と歯の並びの関係が変わってしまったからか

噛み合わせは以前よりも悪くなってしまい、顎関節症のような症状も出ることがあります。

しかしこれ以上は良くはならないということなので、口が開くだけでもありがたいと思っています。

私と歯の妖精との思いでは甘くほろ苦い物語

日本でもある一定の人たちはアメリカの文化の一部である「歯の妖精」の話を知っていると思います。

子どもの乳歯が抜けたとき、その子は寝る前にその歯を自分の枕の下に置いておきます。

寝ている間にそれをとりに来る「歯の妖精」、すなわち「テゥース・フェアリー」がそれをお金と引き換えに持って行くのです。私は子ども時代をアメリカで過ごしたため、その文化を親が実践してくれていたのです。

歯の妖精の正体が親だと分かったのは最後の乳歯が抜けた後だったのですが。

初めて歯が抜けたのは6歳のときだったと思います。一番下の真ん中の歯でした。

血がたくさん出たので泣きました。それが治まった後、早速その晩ティッシューにその歯を包み、歯の妖精にお祈りしたのを覚えています。

確か「クォーター(25セント)を一つください、どうかお願いします」とお祈りしてから寝ました。

そしたら朝起きたら同じティッシューの中にはクォーターが2つもあったのを覚えています。

初めての経験だったのでさすがに嬉しかったです。そしてもちろんそのときには本当に歯の妖精がいることを信じていました。

それ以降は歯が抜けるたび、同じように歯の妖精がお金を残してくれるのでした。

それも私の年齢が上がって行くたびコインだけだったのがお札も来るようになりました。

私はかなり遅い年齢までそういうものを信じていた方なのだと思います。9歳ぐらいのときには「歯の妖精さん、サインをください」と枕の下に歯と一緒に置手紙をしてのですが、翌朝はその紙に「歯の妖精より」とサインしてありました。嬉しくなった私は「やっぱり歯の妖精はいるんだ」と思い、妖精の存在を信じ続けました。

 しかし4年生か5年生ぐらいになったとき、同級生の影響もあって、私はさすがにうっすらと、嫌うっすらとではなくかなりはっきりと現実を知っていました。

それでもお金目当てに同じ習慣を続けていたのですがね。

そしてある日、結構奥の方の歯が抜けたとき、私は少し意地悪をしてしまいました。置手紙には「歯の妖精さん、サインをください、『歯の妖精』と書くのではなく本名をサインしてください」と書いたのです。どういう反応が返ってくるか知りたかったのです。

そしたら翌朝、5ドル札と一緒にサインしてある置手紙もありました。そのサインは母の本名でした。

頭では知っていたにも拘わらず、現実を剥きだしに自ら覗いてしまった、見てはいけないものを見てしまった、自分で自分の夢を壊してしまったかのような気持ちになり、口の中が苦く感じてしまった私はしばらくボーっとしていたのでありました。

 高校生になり、親知らずを早めに抜いたときの私はそのことを思い出し、歯医者さんに頼んでとっておいてもらった親知らずをこっそりと枕の下に置いて寝ました。

予想通り、歯の妖精が私のところに来ることはもうありませんでした。